「迷子になってしまった猫を連れ戻したい…」「家の周りに現れる野良猫を保護したい…」そんな時に役立つのが捕獲器です。 そこで今回は猫をすばやく安全に保護するための捕獲器の使い方や捕獲器の選び方についてまとめました。 ぜひ、保護にお役立てください!
設置場所は猫の習性を理解したうえで選びます。猫には帰巣本能があるので、本来なら帰ってくるのですが、 なかなか帰ってこないときに考えられる4つの理由から設置場所を検討します。
1、発情期
去勢や避妊をしていない場合、パートナーを探しに出ている可能性が高いです。猫の発情期は年に2、3回と言われており、気温が上がって過ごしやすい2?4月や、気温も湿度も高い6?9月と、日照時間が長い時期に発情しやすくなります。猫が頻繁に目撃される場所に捕獲器の設置を検討しましょう。
2、遠くに行き過ぎた
猫は普段は自分の匂いを付けながらテリトリー内を巡回しますが、他の猫との喧嘩などでテリトリーの外に出てしまった場合は自分の匂いがなく帰り方が分からなくなってしまいます。 そのため、長期間帰ってこない場合は猫の縄張りの外にも捕獲器の設置を検討しましょう。
3、家の居心地が悪くなった
原因として挙げられるのは後輩猫を飼った・飼い主にひどい目にあわされたなどです。 このようなことが原因で家出した場合、かなり深刻で帰ってこなくなる可能性があります。しかし、家出してもいきなり自分のテリトリー外に行くことはあまりないので自宅周辺に捕獲器の設置を検討しましょう。
4、事故に遭った
近くに大通りがあったり車が頻繁に通る場所がある場合は、「交通事故にあってしまった」ということが考えられます。大きなケガを負っている場合、人目がつかない隠れられるところでじっとしていることがあります。ですので、軒下など日陰や静かなところに捕獲器の設置を検討しましょう。
【参考】猫の行動範囲ってどれくらい?
【参考】テリトリーの範囲
[関連URL]迷子猫の行動範囲を検索
まず、捕獲器を使うことには賛否両論あります。交通事故やケガ、病気に遭うリスクを防ぐためいち早く捕獲することができる一方で、捕獲器で捕獲された猫がパニックになり傷ついてしまう可能性があることや、探している猫以外の猫が入ってしまうことが挙げられます。
地域猫のお世話をされている方に注意していただきたいのは、野良猫を捕獲器で捕まえる行為は、保護目的(避妊・去勢手術のための一時保護を含む)の場合のみ認められていますが、保護を目的とした捕獲の場合でも捕獲器に入った猫を長時間炎天下の中で放置するなど、猫をむやみに傷つけたとみなされると、処罰の対象となる場合があります。ですので、気象条件によっては少なくとも1時間おきくらいに様子を見るようにしましょう。
また、子供がよくわからず触ってしまい怪我をしてしまう可能性があるので、捕獲器の設置の際には貼り紙で、「猫を保護するために置いてます。触らないようにお願いします。猫が入っていたら連絡をください。電話番号○○○-○○○-○○○」などと書いておきましょう。
捕獲器を設置する場所ですが、私有地である場合は、その家の住民などに事情を説明して事前に許可を得ましょう。また、公共の場所に設置したい場合はスペースを管理する自治体に相談するようにしましょう。
1、においの強い餌
猫用フード以外でも可。例えば、唐揚げや鳥の照り焼き、うなぎのかば焼きなど人間が食べるもので猫に害のないもの。
[関連URL]猫に食べさせてはいけない物(138品目)
2、餌は捕獲器の奥に設置
捕獲器の手前に餌を置いていると餌だけ取っていくことが考えられます。
また、捕獲器の扉が中途半端に閉まって危険ですので、餌は奥に置くようにしましょう。
3、捕獲器を毛布や段ボールなどで囲う
猫は身を隠せる場所を好むので、捕獲器に毛布をかぶせるなどして外から見えないようにしましょう。
夏場の場合、通気性のよい物をかぶせて高温になりすぎないようにしてください。
4、他の人に協力してもらう
捕獲器の周囲に人がいたら猫が警戒してしまうので、なるべく近づかないように協力してもらいましょう。
また、捕獲器の近くのお宅が餌付している場合、捕獲器を置かさせてもらったり、エサをあげることを一時やめてもらうなどお願いしましょう。
5、見つかりやすい時間帯
猫は夜行性と思われていることが多いようですが、実は夜行性と言うよりも、夕方と早朝に活発に動き回るようになる動物です。
これを薄暮行動性(はくめいはくぼせい)と言います。
捕獲器を設置したら安全性の観点から定期的に確認する必要があり、日中は忙しくて捕獲器を設置しておけないという場合は、夕方と早朝を狙って設置してみてください。
猫が入りやすいようにするコツ
猫は見慣れないものにかなり警戒するので、捕獲器を設置して初めのうちは警戒心を和らげるために餌を捕獲器の外にも置いてみてもいいかもしれません。
注意すること
捕獲に一度失敗すると捕獲器に対して警戒心が高まり、再度近づかなくなる可能性がありますので、十分準備してから捕獲器の設置を行うようにしてください。
また、他の猫が誤って入ってしまったら匂いが残ってしまい警戒するようになるので、一度洗って匂いを取ったり、動物に害がない除菌スプレーで匂いをふき取ったうえで再度設置することをお勧めします。
季節や天気によって、捕獲器に長時間閉じ込められていると熱中症や凍死になることが十分に考えられます。
ですので、気象条件によっては1時間おきくらいに様子が見るようにしましょう。
これは、探している猫が成猫であっても、体力のない子猫や老猫が誤って入ってしまうことを考慮しておく必要があるからです。
また、猫は生き物ですので、暑さ寒さの心配がない時期でも捕獲器を設置したまま長時間放置することはやめましょう。
捕獲器に置いた餌の交換も定期的にしておきましょう。気候によって熱や湿気で餌が傷んでしまうので、早めの交換を心がけましょう。
捕獲した猫は獣医さんに診てもらいましょう。
ノミダニ以外にウィルス感染の可能性もあるので、できれば捕獲器から出さずにそのまま病院に持っていくようにしましょう。
捕獲器から出すのであれば、猫がパニックになっている可能性があるので、長袖、長ズボンで保護した状態で脱走しない環境のもとで捕獲器から取り出してください。
取り出したらいつも使っている匂いがついた毛布などで安心させてあげてください。
捕獲器はホームセンターやAmazon・楽天・ヤフーショッピングなどのネット通販で5千円~1.5万円程度で購入することができます。
地域の自治体や動物愛護団体によっては、捕獲器を無料でレンタルしているがあります。料金がかかるところもありますが、大抵1日300円あたりなど、格安の費用でレンタルできます。
近くで捕獲器がレンタルできるところがないかインターネットで「捕獲器 レンタル 自治体名」などで検索してみましょう。
ただし近年、虐待目的で野生動物を捕獲する人が増えているため、レンタルの際は捕獲器を使用する目的などを細かくチェックしているようで、貸し出しする条件として「野良猫の避妊去勢手術を目的とした捕獲器の使用」のみの貸し出しであったり、貸し出し自体廃止してしまっているところもあります。
また、捕獲器の数に限りがあるので、貸し出し状況などによって何日か待たなければならない場合もあるので、早めに申請しましょう。
貸し出し団体によって違いはありますが、利用料(無料の場合も)、御印鑑(認印)、身分証のコピーが必要となります。
迷子ペット.NETが運営している「迷子猫の掲示板」に書き込まれた、実際に捕獲器で保護した例を一部ご紹介します。
保護前夜、いなくなった場所のすぐ近くのアパートにて、猫の鳴き声と鈴の音がするという連絡をいただきました。今回ずっと捜索に協力をいただいていたむさしの地域猫の会の捕獲器を仕掛けて見張っていたところ、姿が現れたので捕獲器を近くに移し待ち伏せすると、すぐに捕獲器にかかり、午前4:30、無事家族の元に帰ることができました。
東京都の雑種
いなくなって、二週間経った頃、自宅マンションの側溝で見つけたが逃げられました。それから大雨も振り、発見できず、考えた末捕獲器を使用し、三日目に入ってました。嬉し過ぎて涙もでなかったです。ありがとうございました。
鹿児島県の三毛猫
いなくなった場所(家)の2軒隣の家の裏庭物置、床下付近に潜んでいました。 2日前(3月11日)に発見したのですが、捕獲器での保護に失敗しました。 置き餌をやめて、3月13日朝同じ場所に再度捕獲器を設置し、無事保護できました! ご協力くださった皆様、ありがとうございました!!!
福岡県の雑種
捕獲器は大きく分けて「踏み板式」と「吊り下げ式」の2タイプに分かれます。
「踏み板式」
「踏み板式」は、捕獲器の奥に餌を仕掛け、猫が中に入り餌の手前にある踏み板を踏むと扉が閉まる仕組みです。
「踏み板式」の場合、体の小さな子猫でも捕まえやすいといわれていますが、猫より体が大きい動物が対象の捕獲器だと、猫の体重では軽すぎて扉が閉まらないことがあるので、対象動物に「猫」と書かれている捕獲器を選びましょう。
ただし、猫も賢いので踏み板があることに気が付き、中の餌だけを食べて逃げてしまう事や餌だけがあります。
そのため、次に紹介します「吊り下げ式」の方が、捕まえやすいといわれています。
しかし、子猫の保護を目的とする場合は、「吊り下げ式」の場合、天井部分にフックに餌を引っ掛けるため子猫では届かなかったり、餌ではなくミルクで捕獲しなければならないことがあるので子猫の場合は踏み板式のほうを検討してみてください。
※価格等が異なる場合があります。最新の情報は各サイトをご参照ください。
方式 | 踏み板式 |
---|---|
サイズ | 66×26×22cm |
重量 | 約3.08 kg |
「吊り下げ式」
「吊り下げ式」は、捕獲器の奥のフックに餌を引っ掛け、猫が餌を食べようとしてフックを揺らすと扉が閉まるという仕組みです。
警戒心が強い猫であっても、「吊り下げ式」なら捕まってくれると言われています。
捕獲に一度失敗すると捕獲器に対して警戒心が高まり、再度近づかなくなる可能性がありますので捕獲成功率が高い「吊り下げ式」を検討してみてはいかがでしょうか。
また、「吊り下げ式」の中でも、奥行きが狭いと猫が扉に挟まれてしまう危険性があったり、猫は狭い場所を好むという習性からも細長いタイプの捕獲器を選ぶようにしましょう。
注意点:捕獲された猫がパニックで暴れた際に体を傷つけてしまうことがありえるので、脱走しない環境のもとで捕獲器から取り出すようにしてください。
※価格等が異なる場合があります。最新の情報は各サイトをご参照ください。
方式 | 吊り下げ式 |
---|---|
サイズ | W200×H200×D610mm |
重量 | 約2.3kg |
捕獲器を設置する際は、個数が多い方が確率は高くなりますが、自分が管理できる範囲で設置するようにしましょう。
また、捕獲器を使った保護もすぐに確保できる時もあれば、思い通りにいかないときもあるので、同時にポスターの掲示やご近所にチラシの配布やSNSで呼びかけをするなど試してください。
捕獲器の使い方や選び方に迷ったら、お近くの自治体や動物愛護団体に相談してみましょう。
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでの動物用捕獲器の売れ筋ランキングも参考にしてみてください。
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できるだけ多くの人に声をかけ、ポスターもいろんな場所に貼りましょう。
迷子猫を探すときの鉄則はいなくなった場所の近辺を探すことです。